硝酸性窒素除去
硝酸性窒素による水環境の汚染・地下水汚染
1.硝酸イオンによる水環境の汚染・地下水汚染の背景
水環境への硝酸汚染、地下水の硝酸性窒素( NO3-N )汚染は、農作物の良好な生育と増産に欠かせないとして、過剰散布されやすいのが肥料(アンモニア態肥料)です。
人類は豊かさを求め、自然を開発の対象として富を得てきました。科学を発展させ続け、開発型の国土開発から、地球規模の改造まで、強力なエネルギーを費やし続けてきました。
2.生物多様性の基での、地球と人類の持続的発展を考える
地球の生物多様性のもとで、地球と人類の持続的・永続的な発展を考えるうえにおいて、現在、どのような問題が私たちの前に立ちはだかっているのかについて、基本的な問題として次ぎに揚げた問題が取り上げられています。
3.地下水の硝酸イオン汚染
地下水中の硝酸性窒素汚染と言う表現は、図-1窒素循環のなかの一つの側面です。
アジア、アフリカなどの人口急増地帯では、食糧増産・農業生産を上げることが至上命題になっています。
開発途上国の産業・経済の発展のもとで化学肥料の輸入量が増大し、さらに外国からの支援による肥料工場の建設が進んでいます。
肥料の過剰施肥問題の広がりが危惧されており、それがアジア、アフリカなどの開発途上国の水環境、地下水環境の新たな水環境の汚染、とりわけ地下水において硝酸イオンが、長期に高濃度に滞留する問題は深刻です。
水中の硝酸性窒素(NO3-N)は、水道など・飲料水の水質基準としては10mg/Lです。
硝酸イオンは乳幼児が飲むと、ケト・ヘモグロビン症を発生させること知られています。
それは、血液中のヘモグロビンと硝酸が化学反応し、酸素を運ぶヘモグロビンが硝酸によって妨害されるため、酸素欠乏状態になり、窒息状態であるチアノーゼ症状を起こすことが知られているため、水道水質基準項目・硝酸性窒素(NO3-N)として10mg/L以下と定められています。
4.日本における地下水汚染について
1997年の古い統計の引用ですが、農水省が全国297ヶ所の農業用井戸を調査した結果、年間60地点づつ、5年間の水質調において、NO3-N濃度は最高で77.4mg/L、平均で4.83mg/L濃度上昇した結果を発表しています。畑作地域の井戸だけを取り出すと、平均8.26mg/Lの濃度になっています。
全国的に見ると野菜畑、落花生畑、茶畑、養豚地域などでは、著しい地下水汚染が認められています。