水処理技術一覧

フッ素除去

フッ素除去(カルシウム吸着法)について

(1) フッ素除去法のメカニズムについて・・・りん酸フッ化カルシウム法

 

カルシウム粒剤に「りん酸」を添加しながら、フッ素含有水を通水すると、水中のカルシウムならびに、カルシウム粒剤表面から溶出するCaイオン、添加・注 入した「りん酸イオン」と、水中のフッ素イオンとが化学反応し、「りん酸フッ化カルシウム」・アパタイトの化合物を生成します。これにより水中のフッ素イ オンはCa粒剤にアパタイトとして吸着されます。

 

5Ca(OH)2+5Mg(OH)2 + 3PO4 + F- → Ca5(PO4)3F + 5Mg(OH)2 + 9OH

 

(2) カルシウムろ材の粒径はφ0.6mm~φ1.0mmに調整したものを実験に用いました。

 

① 容量60Lポリ容器に入れたフッ素含有水に予め、濃度 5%のりん酸溶液を添加し、りん酸濃度を2.0mg/Lに調整。

実際実験では大阪市水道水へのりん酸添加濃度は1.2mg/Lにしました。弓削牧場 地下水への添加りん濃度は1.9mg/Lになりました。

 

② 実験カラムで通水し「ろ過持続時間」が増加するにつれ、下向流においてはカラムの表層から「りん酸フッ化カルシウム」アパタイトが生成されるほど、カラム圧力が上昇し、上部のゴム栓が飛び、長時間にわたる実験が行えませんでした。

 

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「りん酸フッ化カルシウム」・アパタイト生成によるフッ素除去

(1) 次頁の表-1「ろ過持続によるpHの変化」によると、pH6.5のフッ素含有水に「りん酸」を2mg/L添加した試験水を、自然鉱石DR粒材充填カラムに 通水した結果、通水直後から通水持続8hr後においても、pH10.5~pH10.9の強アルカリ水になります。

 

(2) 今回のフッ素除去実験は大阪市の水道水にフッ素を添加し、フッ素濃度1.73mg/Lに調整し、そのフッ素含有水にリン酸を1.21mg/L添加した原水を、自然鉱石DR粒剤充填カラムに流速73m/dにて通水しました。

 

その通水した結果を表-2.「フッ素、りん酸イオンの変化」に示した。
自然鉱石DR粒剤充填カラムのろ過水の、フッ素濃度は0.04mg/L~0.33mg/Lの濃度範囲にフッ素濃度は低下した。除去率は最大で80.34%になりました。

 

(3) 全硬度とCa硬度、Mg硬度の混合比の変化については、表-3「Ca硬度、Mg硬度の変化」にまとめました。

 

① 軟水にりん酸を加えた自然鉱石DRろ過水の硬度の挙動について大阪市水道局の水道水の全硬度は42mg/Lの軟水です。この軟水にりん酸を1.2mg/L添加した後、DR粒材充填カラムにて、ろ過を行うと水中のCa濃度は順次低下していきます。
この理由は、DR粒材表面から炭酸Caが溶解したことで水素イオン濃度はpH9.5になります。pH9.5においては水中の溶解性Caイオンは添加した「りん酸」と化学反応し、りん酸Caに化学結合し、直ぐにDRろ材表面への着床が進んでいくため、水中のCaイオンの減少が表-3に表れています。

 

しかし、DR充填カラムのろ過を続けていくと、ろ過水中のMgイオンが増加し続けていくことも認められます。これは、Mg成分比率の高いDR鉱物から、水への溶解反応が進んで行くことを示しています。ろ過する水が軟水の場合においてはMgイオンが溶解し増えます。全硬度のイオンバランスにおいて、Ca硬度が減り、Mg硬度が増加するので全硬度自体は横ばいです。

 

②硬水にりん酸を加えた自然鉱石DRろ過水の硬度の挙動について硬水にりん酸を添加し鉱石DRろ過を行なったろ過水の硬度の挙動については、表-3「ろ過水中のCa硬度、Mg硬度の変化」に示しました。原水中のCaイオンは鉱石DRろ過により、pHが9.5になりCaの溶解度が落ちるため、水中の溶解性Caが一瞬にして濃度低下し、自然鉱石DR表面に吸着されます。同時にDR鉱物からMgが水中に溶解しつづけていくため、ろ過水中のMg濃度は増加していきます。

 

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特殊ろ材によるフッ素除去・カラム試験をお引き受けします。

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お客様の要望に応じたカラム試験を実施し、実装置の設計をさせて頂きます。

 

15万円/回

 

試験水:必要水量80L(20L缶×4本)を試験室まで宅ファイル便にて、お客様負担にて送付ください。

 

試験条件:処理対象水のフッ素濃度、pH、その他水質影響を考慮した、最も効果的なフッ素除去

ろ過システムを設計します。

 

逆洗頻度の決定、再生頻度の設定。

 

 

最適ろ過条件を検討いたします。

 

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飲料水の安全性は厚生労働省令の水道水質基準に定められており、フッ素の水質基準値は0.8mg/Lです。

地下水、湧水、温泉中にフッ素イオンが検出されることは数多く有ります。自然水中に検出されるフッ素   

は、その殆どが、花崗岩のなかにあるホタル石と言う鉱石中のフッ素が水中に溶け出したものです。                                                           

 

水質基準値0.8mg/L以上のフッ素イオン含む水を、長く飲み続けると、歯のカルシウムがゆっくりと溶けだし、特に乳幼児の歯は弱く、歯がまだら状に黒くなり、歯が欠けるような症状が見られることになります。

この慢性症状は「斑状歯」(はんじょうし)と呼ばれ、飲料水のフッ素濃度を水道水質基準以下にするように、保健所を始め水道事業においても広報されています。

 

当社が開発した吸着粒材:「TDR68」は急速ろ過機に充填し、吸着ろ材として一定期間使い、吸着能力が低下すると新品と入替えします。吸着粉末材:「TDR0002」は吸着材として添加した後、凝集剤 を用いて沈殿させ、水中からフッ素を除去します。

 

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フッ素でお困りのお客様。・・・フッ素吸着ろ過実験をお勧めします。

実験装置を使って、現場の深井戸から井水を採水し、ろ過実験機を使って有料連続ろ過実験を行います。

実験期間は一ヶ月以内。実費(60万円にて)でお引き受けします。

 

フッ素でお困りのお客様。・・・試験室にて机上カラム実験をお引き受けします。

                                    実験費:15万円にて、お引き受けいたします。

 

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 フッ素吸着ろ材「TDR68」を充填したろ過機の手前にリン酸を添加、フッ素吸着粉材「TDR0002」

を添加、する前にリン酸を添加し、水中のフッ素イオンを「フッ素・りん酸アパタイト」の形に化合さ

せ、フッ素を安全に除去するメカニズムを活用しています。

「フッ素リン酸アパタイト」は歯磨きにも用いられているほど、健康に適した成分です。

 

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